プロのギャンブラー(ギャンブルを職業として、それで生活している人)って本当にいるのだろうか?

日本で法的に認められているギャンブルは、競馬、競輪、競艇、パチンコの4種類である。

少なくとも、この中でパチンコのプロ(パチプロ)と競馬のプロには、過去にお会いしたことがある。パチプロは入院先の耳鼻科病棟の隣人であったし、競馬のプロは生命保険会社の海外ツアーでの飛行機内で隣の席に居合わせた人だった。プロという以上は、それぞれ何らかの必勝法を持っているはずで、八百長で勝っているわけではない。

ギャンブルでは、必ず、親または胴元が勝つようにできており、その確率的優位さを「エッジ」というが、競馬とパチンコでは、そのエッジは通常、20%~25%くらいになる。「博打」は「場口」とも読める。すなわち、長い間ゲームを続けて行くと最終的に胴元が儲かる仕組みになっているということだ。競馬などは、はなから25%引いて配当するわけだから(儲けは最初から確定している)ので、「エッジ」という表現は当たらないかもしれない。そんな不利なゲームの中で勝つスキル、ノウハウを掴んでいるということであるから、ある意味それだけで尊敬に値する。こういう言い方をすると真面目な日本人はすぐに目くじらを立て、「まじめに仕事をしたらどうか?」と説教口調になる。わたしは、

こういうお利巧さんが嫌いである。考えてみれば、株式投資も不動産投資も企業経営も結婚もすべてある種の博打である。結婚などはその中でも最大の博打であろう(笑)。

ここで、カジノについて少しお話したい。カジノにおいて必勝法はあるか?あるいはプロのギャンブラーがいるかということだが、確実にいると思う。

一つはブラックジャックである。ブラックジャックではカードカウント(絵札とエースの枚数を数えること)を徹底すれば、少しだけプレイヤーに優位性が生まれるという。ただし、露骨なカードカウンターは、カジノ側から追い出されるので、なかなかプロしては成り立たないかもしれない。

もう一つは、ポーカーである。このゲームは最初にディーラーにアンティという場代を払ってから、プレイヤー同士のゲームとなるので、ディーラーはただカードを配るだけである。つまり、5%ほどの場代を支払うだけで、あと残った95%の賭け金をみんなで奪い合うゲームである。だから、当然、腕のいい者が勝つわけである。賭け金(ベット)のコントロールや確率的な読みも大事であるが、時に、ブラッフ(張ったり)やポーカーフェイスも必要になる。ポーカーは確率的優位性と心理作戦を交えた高度なゲームである。ポーカーの場合、一定の金額をアンティとして置くだけだから、勝てば残り全部が手に入るので儲けは大きい。

競馬はある意味ポーカーに似ていると思う。つまり、最初に胴元が場代を取ってしまうという点が共通している。しかし、競馬の世界では胴元に取られる場代は25%である。このエッジはかなり高いので、常識的には、子に勝ち目はないように見える。一発当てることはあっても、何回かやっていると確実に負けるということである。

しかし、この不利な確率の競馬においても、ずば抜けた天才ギャンブラーがいたのである。

次回は、この天才ギャンブラーの話と、もし、ギャンブルで大勝ちしたら、税金はどうなるのという話をしたい。

文責 増井 高一