ペナルティ(罰則税)重加算税 ② 実際の適用局面

ペナルティ(罰則税)重加算税

1 所得税;居住用3千万円控除のケース

不動産を譲渡した場合、それが居住用であれば、譲渡益から3千万円の特別控除がある(租税特別措置法35条)ので、大概は税金がかからない。このメリットはあまりに大きいので、実際に住んでいないのに、居住用の実体を装って所得税を免れようとする者が時々現れる。

不動産業者などが、「住民票を移動しておけば大丈夫ですよ」などと安易なコンサルを行うので、騙されてしまう人が多い。

この場合、重要なポイントは住民票が移動しているというような形式的基準ではなく、「生活の用に供している家屋」なのかどうかの実体で判断されるということである。たとえば、水道光熱費の使用状況、利用している交通機関、郵便物の出入り状況、近隣の人の話などから総合的に判断される。もし、生活の実体がなければ、「居住用の家屋である」かのように仮装した事実に基づき申告したということになるので、重加算税の対象になる。

2 所得税;青色事業専従者給与

個人事業主がその妻や親に対して、専従者給与を支給することはよくある。たとえば診療所などでは、院長の代わりに奥様が労務管理や経理や財務の仕事に従事され、経営管理の一翼を担っていることが多い。給与額の多寡は別として、それ自体なんら問題にはならない。しかし、奥様が何もしておらず、診療所に出向くこともないといった状態では、話は別である。そもそも給与の源泉となる役務提供(働き)がないわけであるから、給与が発生する余地がない。

実際、税務調査ともなれば、事業主や本人への聞き込みのみならず、現場で働いておられる従業員等に対しても、聞き込み調査が行われる。もし、まったく勤務実態がないとなると、専従者給与が否認されるだけではなく、重加算税の対象にもなってくる。なぜなら、架空の勤務実態を装い、その結果にもとづいて申告しているからである。

極端なケースでは、給与が奥様名義の口座に振り込まれながら、そのことを奥様本人は知らず、口座の支配管理権を院長(事業主)が握っているような場合がある。これは論外であるが、専従者給与を支払う以上、当然、その口座の支配管理権は奥様にないと駄目であろう。

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