生命保険を利用した法人の財務戦略の注意点

毎期、利益が安定している法人または増加していく法人では、内部留保目的で生命保険商品がよく使われる。そんななかで、一番多く利用されるのが1/2損金算入型の保険である。保険の種類としては、がん保険、逓増定期保険、養老保険、長期平準型保険などがある。つい7,8年前までは全額損金となるがん保険や逓増定期保険などがあったが、今は税務上制限されておりほとんどが、1/2損金算入型となっている。これらの生命保険について取り扱い上の注意点を述べる。
1 起こりうるリスクを考慮してバランスの取れた保険に加入しているか?
①経営者の死亡リスク
②経営者がガンなどの三大疾病にかかるリスク
③経営者が高度障害に陥るリスク
④会社の倒産のリスク
⑤退職金の資金手当て
⑥一族の相続税資金手当て
などなど、リスクの種類は多いので、これらに対応した保険設計をする必要がある。

2 会社経営の先行きを見た中長期的視点に立っているか?
会社の現状の経営状況と今後の見通しを予測しなければならない。
また、会社の役員構成、会社役員の年齢、会社の事業承継、などを考慮して、設計しなければならない。

3 保険解約時の出口対策はできているか?
1/2損金算入型の保険に入る場合には、解約返戻金が最高額になった後、急速に減少していくタイプのものが多い。したがって、その時の出口対策が用意されていないと、何のために内部留保を行ってきたか分からなくなる。退職金の支払いなどの大きな支出とタイミングが合えばよいが、合わなければ、いっきょに利益が実現してしまうので打つ手がない。

4 税務上リスクの高い保険商品に加入していないか?
全額損金算入できる保険や、法人と個人を絡めて手取り額を増やす保険などがあるが、いずれにしても、節税だけを目的にした保険は今後否認される可能性が高い。
たとえば、低解約返戻金型逓増定期保険などは法人で加入した直後に、個人で安く買い取るプランで、個人の解約時に一時所得として認識するため、同族会社やその一族の大幅な節税となる。こういった節税目的のみの保険については、法人か個人で否認される可能性大である
5 保険を勧誘しているのはどこか?
保険商品を取り扱っている主体はやたら広くて多い。個人の代理店から、銀行、証券会社など種々雑多である。
短期的な利益を得るために、みんな強引なやり口で、無駄な保険を勧める傾向にある。上記1~4に示したようなことを十分考慮してくれる人たちなのかどうか吟味する必要があるだろう。金融機関の担当者などは3年も立てば、居なくなるので、十分注意する必要がある。余談ではあるが、銀行が勧めたデリバティブ(金融派生)商品で大怪我をした企業は多いはずである。

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