流行る店、流行らない店 ④ 女将の店 

大阪福島にも女将(女性経営者)のレストランやカフェが増えてきた。

浄正橋交差点の近くに、レトロな床屋さんみたいなドアーの店がある。擦りガラスの中は見えず、何の店か分からないので入りにくかった。が、なんとなく気になっていた。たまたま、地元スナックのカウンターで隣に座ったお客が正体を明かしてくれた。

その客はわたしが、うまい店を挙げると「そんな店、比べ物にならん位、おいしくて、安い店があるよ」と言われたので、「それはどこですか?」と訊ねると、正に、それがひなびたドアーの店、その名も「フジワラ料理店」だった。それでも、はじめて、あの擦りガラスを潜るには勇気がいった。

入ると、ショートカットのきりっとした女将が一心不乱に料理を作っている。客が「なんか、早くできるもんないかなあ?」と尋ねると、「うちには、早くできる料理はありません」とそっけない。そのあと、「まあ、ばい貝くらいならあるけど」と付け加える。

店内は禁煙でかつ撮影禁止である。

とりあえず、刺身を何品か注文した。まぐろ、天然ぶり、太刀魚、岩ガキなどどれも絶品の旨みである。それぞれ日本の産地が記してあるので、安心感を与える。とにかく、魚はみんな新鮮でうまい。

創作料理も面白い。アスパラのジェノベーゼ風チーズ焼はアスパラ、チーズ、卵の一体感が絶妙である。アスパラは頭も尻尾も柔らかい。

この店の3大名物を紹介しよう。一番目は、「麻婆豆腐」。土鍋にぐつぐつ煮えたぎったまま出てくる。香辛料が独特の風味でとにかく辛い、でもおいしい。 二番目が「カツサンド」。揚げたてのジューシーなカツの旨みが、口の中に充満する。一皿に8個も盛られてくるので、これだけでお腹いっぱいになる。三番目は、「牛すじカレー」。ときには、ご飯カレーではなく、チーズオムレツとして出てくる。糖質制限実行の俺のために作られたメニューかな?そんなわけないわな。いずれにしても、どれもこれも癖になる味である。

客がある程度埋まると、女将は突然「満員御礼」の札を玄関ドア―にぶら下げシャットアウト。おそらく、キャパオーバーなのであろう。無理に客は取らない主義である。

最後に、勘定を済ませるとき、お客はとびっきり驚かされる。つまり、料理の満足度に比べあまりにお得な値段に対して。

時間帯によっては、予約なしですっと入れる時があるが、大体、「満員御礼」である。

あまり、店が流行ると、ふらっと行けなくなるのでそれは困る。だから、これ以上は褒めない。

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